色んなお酒がある中で、「ウイスキーって何?そもそも定義とかあるの?」と疑問に思ったことはないでしょうか。
ウイスキーとして販売するためには、3つの条件が揃っていればOKです。
ただ、他のサイトを見ても「蒸留がどうのこうの…」「木樽熟成がどうのこうの…」と書いてあるだけでいまいち分かりにくい、と思った方もいるはず。
そこで、今回は、お酒初心者やあまりお酒に詳しくない人でもイメージしやすいように、画像なども交えて「優しく」解説していくのでご覧ください。
私も20代の最初の頃までは、全くお酒を飲まないし飲めない人だったので、お酒が飲める人の話を聞いていても、聞きなれないお酒の用語ばかりで「分からない…」と思った経験があります。
そのため、どこよりも優しく解説していくので、良かったら暇つぶしにご覧くださいませ。
ウイスキーの定義~ウイスキーって何?~
ウイスキーって何?って誰かに聞かれたらこう答えると思います。
「琥珀色をした度数が高いお酒だよ」
これだけでも日常の会話では成り立つんですが、もっとちゃんと「ウイスキーって何?」を知りたい時、きちんとした定義が必要になってくると思います。
そのため、まず、ウイスキーと呼ばれるための定義を下記にお伝えします。
ウイスキーには、下記3つの定義が欠かせません。
- 穀物が原料であること
- 蒸留酒であること
- 木樽熟成を行っていること
ウイスキーの原料は大麦、ライ麦、小麦、オート麦、トウモロコシなどの穀物です。
これらを原料としてお酒作りが行われないとウイスキーとは呼べません。
本当に例えばの話ですが、お米を原料としてウイスキー作りの製法を完璧に真似したところで、それは「ウイスキーとは名乗れない」と言った感じです。
続いて「蒸留酒であること」についてですが、ウイスキーの原料である大麦などを発芽させ、それらを糖化後、発酵、蒸留を行って作られていることもウイスキーとして呼ぶには必要となります。
この「蒸留」や「糖化」についても初めて聞く用語だと思います。
このあたりのウイスキーの蒸留方法や作り方については、下記記事で詳しく解説しているので良かったらご覧ください。
最後に「木樽熟成」についてです。
ウイスキーについてあまり詳しくない人にはびっくりな情報かもしれませんが、蒸留を行った後のウイスキーの元となるお酒は無色透明です。
その後、木の樽で熟成・貯蔵(木の樽に入れて数年置いておくこと)を行うことによって、樽の色素などがお酒に移り、よく見慣れている琥珀色のウイスキーとなります。
そのため、この3番目の定義もウイスキーにとっては欠かせないものと言えるでしょう。
世界5大ウイスキーについて
ウイスキーと言っても、そのウイスキーの種類と産地は画像のとおり様々あります。
世界的にもウイスキーブームが巻き起こっていて、ワインのイメージがあるフランスやイタリアなんかでもウイスキー作りが行われてきています。
ただ、その中でも、世界5大ウイスキーと呼ばれるウイスキーたちが、世界でこよなく愛されております。
その5大の中には日本のウイスキーも入ってるんですから、日本の誇れるべきポイントの1つだと私は思ってます。
この項目では、そんなウイスキーの産地として有名な「世界5大ウイスキー」についてご紹介していきます。
それぞれの国や地域の風土がウイスキーの味わいに影響をもたらすため、ウイスキー好きが色んな産地のウイスキーを集めたくなる気持ちを少しでも分かってくれたら嬉しいです。
スコッチウイスキーとは
スコッチウイスキーというと、ウイスキーの代名詞とも言えます。それだけ名実ともに名の知れたウイスキーです。
北海道より少し小さい、イギリス北部のスコットランド地方で、ウイスキー消費量の約6割を占めているのも驚きです。
スコットランドは、綺麗な湧き水、ウイスキーの原料である良質な大麦、それからウイスキー作りには欠かせないピートなどの原料が豊富にあります。
また、年間を通して温度差があまりなく、湿潤な気候はウイスキー作りに適しており、約200年以上、その伝統製法を守り続けています。
スコッチウイスキーは5大ウイスキーの中でも、突出した存在であり、歴史も古いため「スコッチウイスキー」と呼ぶためには下記の厳しい基準が設けられています。
- 水、酵母、大麦麦芽(モルト)、その他の穀物を原料としていること
- スコットランドの蒸留所で、糖化・発酵・蒸留・熟成を行っていること
- アルコール度数94.8%以下で蒸留すること
- 容量700リットル以下のオーク樽で最低でも3年以上熟成させること
- 水とスピリットカラメル以外の添加は不可とする
- アルコール度数40%以上で瓶詰めすること
スコットランドには100以上もの蒸留所がありますが、これらの中でも更に6つの産地に分けられ、この産地により、ウイスキーの味わいにかなりの変化があるのも特徴的です。
基本的には力強く、独特なピートの香りが強いのがスコッチウイスキーの魅力ですが、これも産地や蒸留所ごとに違いがあり、選ぶ楽しさにも繋がります。
※スコッチウイスキーの産地による6つの分類…アイランズ、スペイサイド、ハイランド、アイラ、キャンベルタウン、ローランド
アイリッシュウイスキーとは
アイリッシュウイスキーは、イギリスに属するアイルランド島全域で作られております。
スコッチウイスキーが独特なピートの香りがあり、ウイスキー上級者向けなのに対して、アイリッシュウイスキーはクセが少なく、軽やかに飲めることが魅力の1つです。
原料に大麦麦芽のほか、未発芽の大麦やライ麦などを使用し、単式蒸留器で3回蒸留をする伝統的な「アイリッシュ・ポットスチルウイスキー」も人気です。
モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンデッドした、アイリッシュブレンデッドウイスキーが主流となっております。
また、スコッチ同様、アイリッシュウイスキーにも定義があるので、記載しておきます。
- 穀物類を原料としていること
- 麦芽に含まれる酵素により糖化、酵母の働きにより発酵していること
- アルコール度数94.8%以下で蒸留すること
- 熟成時は、木樽で熟成させること
- 熟成時は、アイルランド共和国または北アイルランドの倉庫で3年以上熟成させること(移動した場合は、両方の土地での累計年数が3年以上になること)
アメリカンウイスキーとは
アメリカンウイスキーとは、簡単に言えばアメリカで作られたウイスキーのことです。
多くの人が「アメリカ=バーボン」と勘違いしているのですが、ケンタッキー州で作られるウイスキーが「バーボン」であり、テネシー州で作られるウイスキーが「テネシーウイスキー」となります。
例えばですが、下記の有名なウイスキー「ジャックダニエル」はバーボンと思われがちですが、テネシーウイスキーなんです。
また、アメリカンウイスキーが他のウイスキーと違うのは原料です。
アメリカンウイスキーはトウモロコシを主原料として作られます。
トウモロコシを51%以上使用することがバーボンやテネシーウイスキーと呼ばれるためには必要となりますが、中には80%以上使用することで「コーンウイスキー」と呼ばれるものもあります。
このほかにも、原料の使用割合や蒸留・熟成方法の違いにより細かに種類が分けられます。
バーボンは5大ウイスキーの中でも力強い味わいが特徴です。
上述したジャックダニエルは、私にとっては「お家に必ず置いておきたいウイスキー」であり、普段からハイボールやロックで飲むには手軽に美味しく楽しめると思っています。
- 穀物類を原料としていること
- 190プルーフ(アルコール度数95%)以下で蒸留すること
- オーク樽で熟成させること(コーンウイスキーは除く)
- 80プルーフ(アルコール度数40%)以上で瓶詰すること
カナディアンウイスキーとは
カナディアンウイスキーは、フレーバリングウイスキーとベースウイスキーに分かれ、そのほとんどがこの両者を混ぜ合わせたカナディアンブレンデッドウイスキーとして販売されています。
穀物由来のマイルドでライトな味わいが特徴です。
世界5大ウイスキーの中でも一番クセが少なくライトな味わいのため、ウイスキー初心者にはカナディアンがオススメできます。
あまり日本には輸入されないですが、有名な「カナディアンクラブ」はバニラの甘みを感じながらも、奥の方に柑橘系の爽やかさも感じられるので、飲んだことが無い人は一度飲んでみて欲しいウイスキーの1つです。
- 穀物類を原料としていること
- 麦芽などで糖化し、酵母などで発酵後、蒸留を行ったものであること
- 容量700ml以下の木樽で3年以上熟成させること
- カラメルまたはフレーバリングの添加は可能
- アルコール度数40%以上で瓶詰すること
ジャパニーズウイスキーとは
5大ウイスキーの中で最も歴史は浅いものの、日本ながらの技術力の高さから近年、人気を高めてきております。
モルトウイスキーをお手本として作られており、モルト、グレーン、ブレンデッドを主に作っています。
2006年頃から世界で日本のウイスキーの知名度が急激に上がったことにより世界でも「日本のウイスキー」が認識されるようになりました。
ただ、その当時「ジャパニーズウイスキー」の定義を定めていなかったため、日本のウイスキー人気にあやかろうとして、「日本産では無いジャパニーズウイスキー」が販売されるようになり、市場が混乱します。
こうしたことから2021年2月に、日本洋酒酒造組合がジャパニーズウイスキーの定義を決めました。
- 原材料は、麦芽、穀物類であること(麦芽は必ず使用すること)
- 水は国内で採水された水に限る
- 糖化、発酵、蒸留は国内の蒸留所で行うこと
- 蒸留の際の留出時のアルコール度数は95%未満であること
- 内容量700ml以下の木樽に詰め、3年以上国内で熟成すること
- 国内で容器に詰め、重点時のアルコール分は40%以上であること
- 色調整のためのカラメルの使用は認める
ジャパニーズウイスキーの中でも、私自身、蒸留所見学もした「ニッカウイスキー」についてはイチオシしているので、良かったら、蒸留所見学に行った際の内容もご覧くださいませ。
※誰でも無料で見学できます(有料見学のコースもあり)
シングルモルト、カスク…って何?
ウイスキーの中でもいろいろな表記がありますよね。
これらの意味は下記の画像を見るとパッと見でイメージが付くと思うのでご覧ください。
- シングルカスク…1つの蒸留所の、たった1つの樽から瓶詰めされて販売されたレアな商品
- シングルモルト・シングルグレーン…1か所の蒸留所から瓶詰めされて販売された商品
- ブレンデッド…モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜ合わせて販売された商品
- ヴァッテッド…同じ種類のウイスキー(モルトならモルト同士、グレーンならグレーン同士)ですが、異なる蒸留所のものを混ぜて瓶詰めされた商品
これらの意味を少しでも頭にいれておくだけで、ウイスキーを選ぶ時に「シングルモルトってこれか!」と理解できるかと思いますので、良かったら参考にしてみてくださいね。
また、詳しいことは下記記事でも分かりやすく説明したので気になる方はご覧くださいませ。
ちなみに、稀に見る「ボトラーズ・ボトル」についても補足しておきます。
通常、1つのウイスキー蒸留所で瓶詰されて販売されたウイスキーは公式な「オフィシャル・ボトル」と言います。
これと違い、蒸留所を持たない業者が、各蒸留所と契約し、ウイスキーを木樽のまま買い付け、その樽を更に熟成させたり、別の樽に移して更に熟成をしたりと、独自に味わいを変化させて販売することがあります。
このような形で販売されたウイスキーのことを「ボトラーズ・ボトル」と言います。
例えば、公式で販売されているウイスキーでは18年熟成までしかないものでも、ボトラーズ・ボトルでは20年熟成したものがある、といった感じです。
Whisky? それとも Whiskey?
ウイスキーを見ていると、2つの表記が気になった人もいるはず。
「Whisky」なのか、 それとも「E」が入った「 Whiskey」が正しいのか。
これの正解は、どちらも正しいということです。
基本的には日本やカナダのウイスキーは「E」が付かない「Whisky」表記です。
- イギリス・カナダ・日本⇒「E」が付かない
- アイルランド⇒「E」が付く
- アメリカ⇒両方ある
この2つの表記が生まれたのは、19世紀頃のウイスキー人気が高まった頃と言われています。
この当時、ウイスキー人気の高さから悪質なことを考える人も多くなり、「本当にウイスキーなのか?」と言われるようなパチモンが出回り始めました。
そこで、ウイスキー発祥の地として、そのような悪質なウイスキーとの区別をしたかったアイルランド人は、アメリカへウイスキーを輸出する際に「これは本物のウイスキーだ!」と区別するため「E」を付けた「 Whiskey」として出荷しました。
この流れで、アメリカに移住したアイルランド人が作るバーボンウイスキーにはそのまま「E」が付くことになりました。
反対に、イギリスからの移民によって作られたカナディアンウイスキーは「E」が入っておりません。
まとめ
ウイスキー自体の定義は3行で済みますが、それから5大ウイスキーに分けられると更に細かい定義があり、ウイスキーの歴史の深さなどを知っていただけたかと思います。
あらためてウイスキーの定義はこうです。
- 穀物が原料であること
- 蒸留酒であること
- 木樽熟成を行っていること
一言でウイスキーと言っても、その産地により「スコッチ」や「バーボン」など様々な種類に分けられ、それぞれが誇りとプライドを持って作っていることが、その厳格な定義から読み取れますね。
とはいえ、私たちはただ美味しくウイスキーを楽しめればと思いますので、暇つぶし程度にこの記事が何かの参考になれば嬉しいです。
ちなみに、この記事を書いていて久々に「カナディアンクラブ」を飲みました。
ウイスキー初心者には本当にバニラの香りと爽やかさがオススメできるので、興味がある方はお試しください。
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